2014年4月16日水曜日

西洋記21

 白牡丹はといえば、純陽を得て身ごもり、子どもを産んだ。すぐれた子どもで、成長して官吏となり、句容県の知県から監察御史、兵部侍郎となり、もどって溧水県に住んだ。清廉潔白な白侍郎として知られた。
 白侍郎は、ある夜、鼠が二匹一組で卵を片方が腹にかかえてもう片方がそれを引いて運ぶのを見る。
 翌日、卵がなくなっていたため、卵を盗んだ罪で拷問がなされる。罪があるわけがないのに拷問で罪を認めるのを見た白侍郎は、自分は数十年禄を食んでいて、間違いをしていなかったわけもなく、こんなことでは民のためにならないと、柱に頭をぶつけて死ぬ。
 玉皇大帝は清官であった白侍郎を兜率宮の霊霄宝殿に呼び、玉皇の宴会を開いてもてなした。そして、溧水縣の城隍としたので、溧水縣の城隍神の姓は白だという。

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