2014年4月6日日曜日

西洋記16

第九回 張天師金階面主 茅真君玉璽進朝

 進み出たのは、龍虎山の張真人であった。
 張真人は異民族が持ってきた宝貝(ほうばい)は至宝ではないという。

 張天師は、《資治通鑑》に載っている伝国の玉璽の話をする。西番に渡った玉璽が、献上された宝の中になかったという。
 玉璽はひとつの玉から三つに分けて作られ、残りのひとつは三茅山元符宮華陽洞正靈官のところに、もうひとつは自分の洞府にあるといい、その来歴を語る。

 天子は、玉璽を取り戻すために船団をしたてて取りに行かせることにする。

 張天師は、西洋の海道の険しさやそこにある国々を数えあげる。

1、金蓮宝象国
2、爪哇国
3、西洋女児国
4、蘇門答刺国
5、撒発国
6、溜山国
7、木葛蘭国
8、柯枝国
9、小葛蘭国
10、古俚国
11、金眼国
12、吸葛刺国
13、木骨都国
14、忽魯謨斯国
15、銀眼国
16、阿丹国
17、天方国
18、鄷都鬼国

 十八の大国があり、策士、軍師、将軍、あまたの兵士がおり、力を持った仙人や妖怪や僧なども数多くいるという。

 天子は、三茅山の玉璽を貢納させて代わりの玉璽にしようとする。

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