2014年3月27日木曜日

西洋記15

第八回 大明國太平天子 薄海外遐邇率賓

 妖怪たちは、長老にいわれて、自分の数を増やし、手を増やし、目を増やし、鼻を高くし、口を増やし、耳を増やす。
 長老は、次は減らす番だといい、妖怪たちは、手や目や鼻や口や耳を減らしていく。
 手足も一本、目も耳に1つずつとなった妖怪たちに、長老は、さらに減らさせて、何もなくなってしまう。

 そこで長老が妖怪の正体をあばくと、それは四人の竜王がささげた四つの宝であった。
 長老は、禪鞋、椰子、碧琉璃、真珠を身に着ける。

 五台山のあたりの人々が長老の頭はそっているのにひげがあるという異貌に、降魔禪師だと言って集まる。

 永楽帝の御世。聖人が出ると言われていた。

 永楽帝のもとには各地からの進貢が絶えない。外国人も来て、青い獅子、白象、孔雀などをささげる。
西南の哈失謨斯国から青い獅子
南方真臘国から白い象
西北の撒馬兒罕国から紫騮馬
北方韃靼国から羱羊
東南方大琉球から白い鸚鵡
東北の奴兒罕都司から孔雀
その他、宝が山と積まれる。

 翌日の朝廷で、老臣が階段の下に進み出る。