2016年7月15日金曜日

西洋記52

 無底洞は師匠が雲に乗ってくるのを見て、連れて行ってもらおうとしたが、小さな和尚に邪魔され、やむなく師弟は別れることになった。
 長老が宝船に帰って三宝太監らと話をしていると、一尺二寸の小さな和尚が無底洞を連れて現れる。小さな和尚は阿難使者であった。無底洞は出身や有底洞のこと、姜金定が火囤で去ったことなどを話す。有底洞の出身は看財童子(銭奴児)。
 三宝太監たちは無底洞を処罰したがったが長老は許してやってほしいと言う。
 そこへ姜金定が戦いに来たという報告がある。張柏が八十四斤の狼牙棒を手に、王良が丈八の槍を手に出陣する。
 見れば、数え切れないほどの数の水牛が迫ってくる。それを馬に乗った姜金定があやつっている。
 これは羊角道徳真君の詭計に違いない、どれが本物だろうなどと言っている間に水牛が迫ってきて、敗退する。左右に分かれて出た片方は傷を受け、片方は無傷であった。