2014年5月5日月曜日

西洋記25

第十三回 張天師壇依金殿 金碧峰水淹天門

 長老は、張天師が壇上で術を使ったのに自分は何もしないのでは不公平だとし、鉢に没根水をくませ、二本の柳の枝を用意させ、術を使う。

 張天師の方は、令拝を敲き、
「一撃天門開,二撃地戸裂,三撃馬、趙、温、関赴壇!」
 と天神を呼ぶ。

 大風が吹く。天将は現れず、雲も散る。張天師ががんばっても同じで、勝負は長老の勝ちとなる。が、みなの首をとらずに許し、全身から金の光を輝かせて消える。

 殺されそうになった張天師は、冤罪だと述べ、飛符は五十道あるのにまだ四十八道しか焼いていない。あと二道の飛符を使っても天神が壇に降りなければ首級をあげられても文句はないと言う。
 手助けをする者もなくなり、張天師は一人で術を行う。
 すると、四位の天神が降りてくる。

 四元帥の姿の描写が入る。
 雪のように白い姿の馬元帥。火車に乗り金磚を袖に蔵する三眼の華光。
 玉帯、竹節鋼鞭を持ち、斑斕(顔がまだらの)猛虎に乗った、鉄のように黒い姿の趙元帥。
 青い姿で牙のある温元帥。
 三すじのひげ、蚕のまゆ、鳳眼に丸い瞳、青竜刀をたずさえ、赤兎馬にまたがった関元帥。

 天神たちは二道以外の四十八道は見なかったと言う。そして、南天門外が大水になっていたという話をする。その大水こそ、碧峰長老が起こしたものであった。

 天子は、西番に行き、玉璽を持ち帰れば張天師の罪を許すと言う。
 張天師は、さきほどの和尚が適任だと言う。