2013年11月14日木曜日

西洋記メモ8

第三回  現化金員外之家 投托古淨慈之寺



 水盆の星をすくって飲んだ妻は倒れる。
「どうしたんだ?」
「昔の人が、杯の影を、蛇を飲んでしまったと恐れたようなものですわ」
「杯の影は偽者だが、星は本物だ」
「本当かしら、偽者を本物だと言っているのではなく?」
「惜しいぐらいピカピカ光った星だったよ」
「わざとその星を惜しがっているんじゃないでしょうね?」
「惺惺(聡明)な者は昔から惺惺(酒から醒める)のを惜しむというじゃないか」
 みなは逆に大笑いして眠りに戻った。

 こんな調子で、西洋記は、日本人では笑えない笑いをねらっているのだろうと思われる箇所が多々ある。

 妻の月のものが遅れたため、夫婦は關爺廟(関帝廟)に占ってもらいに行く。
 おみくじの吉凶がわからないため、 さらに鬼推先生に占ってもらいに行く。

 子供が生まれるが、身は墓に入るという。

 やがて子供が生まれる。夫婦は傷一つなく、目を閉じ手を合わせて死んでいるところを発見される。

 事件となったが、役所のはからいで夫婦は埋葬され、子供は出家させることになる。
 だが、死体は消えてしまう。

 子供は、 頭が長く額が広く眉目秀麗。
 おっぱいをもらって歩こうとしたが、飲もうとせず、仏前の果実だけは食べた。

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