『緑野仙踪』『緑野仙蹤』のこれまでの日本語訳本についてのメモ。
◎「綠野の仙人」奥野信太郎訳「世界少年少女文学全集」に収められている。1956年、創元社
作者名は不明とされている。
児童向け抄訳。
大人向けのシーンはすべてカットされている。
わずか115ページにまとめられているが、読みやすく、バランスの良い訳。
主人公名は「冷于冰」
倭寇の大将は「夷目妙美(いもくみょうび)」
仙人小説、仙術小説と呼んでいる。
◎『不老不死仙遊記』(上、下)山県初男、竹内克己 共訳 1933年、立命館出版
作者名は 李百川 撰
抄訳。
何分、戦前の本のため、旧字旧仮名遣い、またシーンによっては伏せ字が多い。
前半、火龍真人に会って雷火珠をもらって別れるまではすべてカット。
火龍真人と別れて旅に出たところから始まる。
愛憎、妓楼などの大人向けシーンも入っているが、伏せ字が多い。
670ページほどにまとめられている。
主人公名「冷于氷」
倭寇の大将は「壱岐妙明(いきただあき)、伊集院妙明」とされている。
底本の記載はないが、思うに、八十回本の抄訳かと思われる。
『西遊記』を仏教小説、『緑野仙踪』を道教小説として有名だと紹介している。
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