2017年4月16日日曜日

『緑野仙踪』『綠野仙蹤』の日本語訳について

『緑野仙踪』『緑野仙蹤』のこれまでの日本語訳本についてのメモ。

◎「綠野の仙人」奥野信太郎訳「世界少年少女文学全集」に収められている。1956年、創元社
  作者名は不明とされている。

  児童向け抄訳。  大人向けのシーンはすべてカットされている。
  わずか115ページにまとめられているが、読みやすく、バランスの良い訳。

  主人公名は「冷于冰」  倭寇の大将は「夷目妙美(いもくみょうび)」

  仙人小説、仙術小説と呼んでいる。



 ◎『不老不死仙遊記』(上、下)山県初男、竹内克己 共訳 1933年、立命館出版
 作者名は 李百川 撰

  抄訳。  何分、戦前の本のため、旧字旧仮名遣い、またシーンによっては伏せ字が多い。

  前半、火龍真人に会って雷火珠をもらって別れるまではすべてカット。
  火龍真人と別れて旅に出たところから始まる。

  愛憎、妓楼などの大人向けシーンも入っているが、伏せ字が多い。

 670ページほどにまとめられている。
  主人公名「冷于氷」  倭寇の大将は「壱岐妙明(いきただあき)、伊集院妙明」とされている。

  底本の記載はないが、思うに、八十回本の抄訳かと思われる。

 『西遊記』を仏教小説、『緑野仙踪』を道教小説として有名だと紹介している。

0 件のコメント:

コメントを投稿