2017年4月25日火曜日

西洋記57

 次の夜も数百の頭だけの幽霊が出る。三宝太監は怒り、姜金定の頭を火で焼かせる。火の中で頭が、夜になったらまたやってくると言う。対策を考え、天師はみなに符を使わせる。その夜、婦人の頭の幽霊はあたりじゅうに現れる。

 翌日、天師は龍虎玄壇趙元帥を呼び出し、由来を聞く。頭には瞳がなく夜飛び回り朝には戻る。どうやら屍致魚であるらしい。これこそが羊角大仙の第三の錦嚢の計を姜金定が使ったのだ。

 その夜の三更、婦人の頭がまたやってくる。天師は五道の桃符を焼き、五個の黄巾力士を出して、体を遠くに離すか隠すかして頭が体のところにもどれなくしてしまうようにと言いつける。そして天師は大膽の姜維さえも驚くような雷を起こす。婦人の頭もおびえ、飛び去るが、体にはもどれず、翌朝、五個の黄巾力士が五串の頭を持ってくる。一串には百個以上の婦人の頭がついている。いずれにも瞳がない。

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