2017年4月18日火曜日

西洋記55

 姜金定がまたしてもたくさんの水牛を連れて戦いに来る。

 以前のより大きく、背が高く、以前と違って角が二本ではなく一本で鼻の真ん中に生えていて、以前の水牛と違って毛ではなく鱗があり、走るのではなく飛んでいる、陸路ではなく山に登ったり海に入ったりしているという。天師が出陣することになる。

 天師は、髪を解き剣を取り、歩いて出陣する。野獣を率い、姜金定は馬に乗っている。天師はこの野獣が何であるかわからない。

 姜金定は一本の絲帶(リボン)を手に持ち、「長くなれ!」と言うと、絲帶は長くのび、鞭の音が響き、牛の群が天師に殺到する。天師が雷を落とすと牛は逃げ帰った。だが、姜金定がまた一鞭を響かせると、牛は再び陣に迫る。また雷で牛が陣に帰ったが、天師は分が悪いと海辺を走る。牛が後を追う。天師は草龍にまたがり、追ってくる牛に雷を落とすと、牛は水の中に入る。水中に雷を落とすと牛は岸に上がる。岸に雷を落とすとすぐに水中に入る。水中に雷を落とすとすぐに岸にいる。天師は打つ手がなく、草龍にまたがって去る。

 天師は中軍に帰り、三宝太監に報告する。
 また五十名に様子を探らせる。形は水牛のようだが、千斤の重さがあり、毛がなくて鱗のようにはげていて、蹄が三つ、角が一本鼻筋の上にあるというその様子から、天師は、犀牛ではないかと目星をつける。

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