2017年4月16日日曜日

西洋記54


 天師は元帥のもとにもどり、趙元帥の顛末を報告する。天師は五十名の兵士を借りて、水牛の由来を調べさせる。牛はもとは土地を耕していたのが野生化して増えたもので、牛は本物、乗っている子どもは姜金定があやつる偽物であった。特徴として、青いものを見ると追いかけるという。三宝太監は聞いて笑った。昨日の狼牙棒は青、天師の幡は青、趙元帥が着ているものは青だった。

 天師は今度は旗も馬もなしで髪を解き裸足になり剣を取り北斗を踏んで、真武のような姿で出て、姜金定にいどみ、牛を海におびき出し、雷を落として沈める。水面には無数の紙を切って作られた子どもがあった。
 さらに雷を落として野水牛を水葬にした後、天師は天将を呼んで姜金定を生けどりにし、元帥のいる中軍に連れて行かせる。姜金定は、残り二つの錦嚢の計も使っていないのに死ねないと言う。元帥は姜金定を放す。


0 件のコメント:

コメントを投稿