2016年4月9日土曜日

西洋記45

第二十六回 姜金定請下仙師 羊角仙計安前部

 姜金定のほうも戻り、番王に朝見し、張天師との戦いについて話す。
 ああでもないこうでもない、降参すべきか否かなどと言っていると、三太子が入ってくる。
 三太子は降参すべきではないと言う。
 姜金定は三太子に親征するように求める。また、師匠の羊角道德真君のことを話す。
 羊角道德真君に下山してもらうことになり、姜金定が羊角山に向かう。
 姜金定が泣いて頼み、羊角道德真君は下山することにする。だが、八百里の軟水洋、五百里の吸鐵嶺を越えてやってきた相手の技量がわからない。そこに、身長三尺の子どもの道士無底洞を見つける。無底洞は玉皇殿にむかい、そこで三杯の仙酒と三枚の青棗を口にする。眠りこけて目が覚めると全身がかゆいので、水浴びをしにいくと、身長三丈、三頭四臂、青い顔に牙が十二もあるという姿になった。
 羊角道德真君は無底洞を向かわせることにする。
 無底洞が山を下りていくと、金水河の水面に自分の死体が漂っていた。自分の色身だとわかる。無底洞が水浴びをすると、もとの無底洞の姿に戻った。
 羊角道德真君は無底洞に「師父」と大声で叫んで身をそらせば三頭四臂になれると教えるが、南朝の人馬を驚かせて馬から落とすだけで、殺してはならないといましめる。もし殺すと、自分の殺戒の心を傷つけ、自分の萬年の修煉を狂わせることになるという。
 宝を入れた花かご持ち、無底洞真人を連れて、羊角道德真君が下山する。

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