2016年4月23日土曜日

西洋記47

第二十八回 長老誤中吸魂瓶 破瓶走透金長老

 黒煙は火囤で、白気は水囤だと天師が見破る。
 またしても三人が戦いに来る。天師は免戦牌を出し、明日にするという。
 羊角大仙は、明日は金碧峰を出すようにと言って帰る。
 翌日、商議をする。碧峰長老はしぶったが、ついに出馬することになる。





 鄭和が回教徒であったことが書かれている。西番は砂漠地帯だと書かれている。

 独りで軽装で出る金碧峰のもとに東から神将が降りてきて国師を拝む。これは護法韋馱尊者であった。西からは白雲道長。金碧峰は自らの正体を隠して天機を漏らさないようにして欲しいと頼む。
 金碧峰がぶらぶらと進むと、羊角道德真君が出てくる。誰も連れず、旗も太鼓もなしで来たため、羊角は、相手を金碧峰では無いだろうと思い、無底洞に和尚を捕らえるように命じる。
 無底洞は指さされると動けなくなり、三頭四臂になる。碧峰は袖から小さな和尚を出し、無名鬼を退けるように命じる。
 小さな和尚は一尺二寸の鉄界尺を取り出し、無底洞を転ばせる。
 羊角大仙が宝剣を空中に投げ、「当たれ!」と叫ぶと、剣が長老に打ちかかるが、碧峰長老に落とされる。羊角大仙は軒轅鏡を使おうとしたが、長老が鉢で邪魔をしたので効果が無かった。
 羊角大仙は名前を呼んだら答えるように碧峰長老に求め、碧峰長老が応じる。
 名前を呼ばれて答えると、碧峰長老は羊角大仙が持つ瓶の中に吸い込まれた。
 羊角大仙はこの吸魂瓶の由来を語り、吸い込まれると、明日の昼三刻には溶けてしまうと話す。番王は喜んで宴を開いてもてなす。
 だが、翌日見ると瓶の底に小さな穴があいていて、碧峰長老は逃げてしまっていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿