2014年4月8日火曜日

西洋記19

 大騒ぎとなる。
 五台山清涼寺の中にいた碧峰長老もこの騒ぎを知り、帝京である金陵(建業)に赴く。

 上清河雙廟の廟門に進む。
 風が吹いて、漢巾を戴き緑錦を着て玉帯を腰につけ、青竜刀を持った神が現れる。長老が問うと、十八位護教伽藍であるといい、玉泉山の顕聖の関将軍、つまり関羽とわかる。
 さらに風が吹き、日遊神、夜遊神、増福神、掠福神、糾察神、虚空過往神、さらに五人の五方掲諦神。長老はこれも「どうぞお帰りください、ご面倒をおかけするまでもございません」と帰す。
 さらに風が吹き、皂襆頭をかぶり、大紅袍をつけ、腰に黄金の帯,手に象牙の笏板という眉目秀麗、三分のひげのある神があらわれる。
 南京城の斬妖縛邪護呵真命皇帝の神といい、洪武帝を守っているという。
 三山街で薬を売っていた賀道人の話をする。昼は人、夜は鬼(幽霊)を治療していたという。
 城隍菩薩・姓を紀、名を信というとわかる。そこへさらに大紅袍を着た別の神が現れ、すべての城隍神に個別の姓があるかで言いあらそいになる。

(この前後、ざっくり大意でとっているが、白い馬は馬ではないを思わせる言い合いになっている)

西洋記18

 洞のみなは怒り、三茅山の祖師は金陵健康府に向かうが、眠っている天子の頭頂に現れた真身から天子が玄天大帝の臨凡であることを知って引き返す。

 朝になると朝廷が開かれる。
 遠路はるばる玉璽を取りにいかせるのに、左側にいた姚太師が、龍虎山の張真人を推薦する。張真人は、難題を押し付けられ、姚太師が僧家なので、僧家を滅ぼさずにおくものかと誓う。
 張真人は、南北両都十三省の和尚という和尚を滅ぼせば、西洋に赴いて玉璽を手に入れてくるという。
 すぐに天子が仏門を滅ぼすといい、和尚という和尚を七日以内に還俗させ、従わない者は一家もろとも斬、近隣四軒も隠せば遠方で軍役ということになる。

西洋記17

第十回 張天師興道滅僧 金碧峰南来救難

 三茅山の玉璽に刻まれていたのは、「九老仙都之印」の六文字であり、これでは天子の印として不適切。
「奉天承運之寶」の六文字に彫りなおさせることにする。
 だが、彫りなおさせて印面は「奉天承運之寶」になっても、印を押させてみると「九老仙都之印」と押される。
 何度試しても同じなので、天子は怒り、印に四十回の棒打ちを加える命令を出す。
 校尉五棍を八回換えて四十棍を加えると、生きていて夜になると四両の硃砂を食べて一度に千枚の紙に印を押すことのできた玉璽は硃砂を食べなくなり、一度の印では一枚の紙にしか押印できなくなり、命を失い、茅山に返される。

2014年4月6日日曜日

西洋記16

第九回 張天師金階面主 茅真君玉璽進朝

 進み出たのは、龍虎山の張真人であった。
 張真人は異民族が持ってきた宝貝(ほうばい)は至宝ではないという。

 張天師は、《資治通鑑》に載っている伝国の玉璽の話をする。西番に渡った玉璽が、献上された宝の中になかったという。
 玉璽はひとつの玉から三つに分けて作られ、残りのひとつは三茅山元符宮華陽洞正靈官のところに、もうひとつは自分の洞府にあるといい、その来歴を語る。

 天子は、玉璽を取り戻すために船団をしたてて取りに行かせることにする。

 張天師は、西洋の海道の険しさやそこにある国々を数えあげる。

1、金蓮宝象国
2、爪哇国
3、西洋女児国
4、蘇門答刺国
5、撒発国
6、溜山国
7、木葛蘭国
8、柯枝国
9、小葛蘭国
10、古俚国
11、金眼国
12、吸葛刺国
13、木骨都国
14、忽魯謨斯国
15、銀眼国
16、阿丹国
17、天方国
18、鄷都鬼国

 十八の大国があり、策士、軍師、将軍、あまたの兵士がおり、力を持った仙人や妖怪や僧なども数多くいるという。

 天子は、三茅山の玉璽を貢納させて代わりの玉璽にしようとする。

2014年3月27日木曜日

西洋記15

第八回 大明國太平天子 薄海外遐邇率賓

 妖怪たちは、長老にいわれて、自分の数を増やし、手を増やし、目を増やし、鼻を高くし、口を増やし、耳を増やす。
 長老は、次は減らす番だといい、妖怪たちは、手や目や鼻や口や耳を減らしていく。
 手足も一本、目も耳に1つずつとなった妖怪たちに、長老は、さらに減らさせて、何もなくなってしまう。

 そこで長老が妖怪の正体をあばくと、それは四人の竜王がささげた四つの宝であった。
 長老は、禪鞋、椰子、碧琉璃、真珠を身に着ける。

 五台山のあたりの人々が長老の頭はそっているのにひげがあるという異貌に、降魔禪師だと言って集まる。

 永楽帝の御世。聖人が出ると言われていた。

 永楽帝のもとには各地からの進貢が絶えない。外国人も来て、青い獅子、白象、孔雀などをささげる。
西南の哈失謨斯国から青い獅子
南方真臘国から白い象
西北の撒馬兒罕国から紫騮馬
北方韃靼国から羱羊
東南方大琉球から白い鸚鵡
東北の奴兒罕都司から孔雀
その他、宝が山と積まれる。

 翌日の朝廷で、老臣が階段の下に進み出る。

2014年1月17日金曜日

西洋記14

第七回 九環錫杖施威能 四路妖精皆掃盡

 長老が土地神から、妖怪一家の事を聞きだす。

 四つの房があり、大房には32人の子どもを持つ妖怪、他の三房には一人ずつがいるという。
 土地神は妖怪の名前を知らず、大房の妖怪を天罡精、二房の妖怪を鴨蛋精、三房を葫蘆精、四房を蛇船精と呼んでいる。
 山の上のが四房で九曲溪流の上にある。第三房は羅浮山の上、二房は峨眉山の上、大房は五台山の上。

 長老と二人は日々進む、
 齊雲亭で碑文にあった朱文公の七言四句を読むと、空に火光が走り、大きな音が響き、怪風が吹き、激しい雨が降る。
 長老が亭上で目を閉じ、精神を集中させると雨は収まり雲は散り、日が差す。
 現れた猛漢・蛇船大王を長老が説得する。長老は蛇船大王をさまざまに化けさせ、九環錫杖で打ちすえると、妖怪は南に逃げる。
 二つの山がひとつになった山に着く。
 道書にある十大洞天のひとつ羅浮山であった。
 毛だらけのひょうたんがあり、これこそが妖怪。
 先ほど逃げてきた妖怪と二匹ともを九環錫杖で照らすと、二匹の妖怪は玉鵝峰に逃げる。
 峰々を巡る妖怪を追い、変化したのを錫杖で打ち、正体をあばくと、次は西北にむかって逃げた。
 峨眉山で三匹に増えた妖怪をさらに追い、五台山でさらに妖怪は合流、
貓頭豬嘴の蛇船精、毛頭毛臉の葫蘆精、藍頭藍面の鴨蛋精、三十三匹の天罡精がそろう。

 妖怪たちは、風に、雨に、霧にと、次々に変化してみせる。
 次から次へと、物づくし、故事づくしで変化しつくしたところで、長老が、他のものに姿を変えるのはもういいから、自分の姿を変えろという。

2014年1月13日月曜日

西洋記13

第六回 碧峰會衆生證果 武夷山佛祖降魔

 飛喚の伝えた詞から、長老は雲谷は武夷山に行ったのだろうと言う。

 飛喚は以前、錫で飛んで南国に行ったり、杯に乗って北溟を渡ったりしたことがあり、五嶽に行ってくるという。

 長老が神通力をあらわし、共に五岳をめぐる。
 東嶽には齊天仁聖大帝金虹氏がいてその職分は… というのが語られ、山に何があるかが語られる。
 次々に、西嶽には金天順聖大帝姓善名■、南嶽には司天昭聖大帝、姓崇名裡、北嶽には安天玄聖大帝姓晨名萼、中嶽には中天崇聖大帝、姓惲名善、それぞれ職分と山の様子が語られる。



 二人はいったんもどり、長老は法会で講義をする。
 長老は神通力をあらわし、次は四瀆の詳細。江瀆には廣源順濟王、これは楚の屈原大夫などと。

 五嶽四瀆に連なる法話問答がなされる。

 手の中に文字を書いて見せ合い、飛喚の法名は飛→非、喚→幻 で非幻となる。後の無涯永禪師である。

 体は東土にありながら心神は西天に飛ぶ。
 茶頭が茶を持ってくる。
 長老が力を使い、《贊佛詞》が語られ、円満となって実が実る。
 三十六峰の説話が語られる。天柱峰のでは、魏の王子の騫和張湛等十三人がみなこの峰の下で得道した、洞中霊怪十三子など。
 昔、山の上にいた仙人が武夷君と名乗った事から武夷山というなどの説話。

 長老は、非幻が二人いることに気付く。六個の仙人掌にあわせて非幻は六人になり、長老が慧眼で見破ると、二人が人間で四人は鬼であった。
 長老は杖で打って四人を去らせる。残る二人は非幻と探していた雲谷、後の無盡溥禪師である。

 妖怪がいるという。その由来を調べるために長老が呼び出すと、長老の前に、東方揭諦神、西方揭諦神、南方揭諦神、北方揭諦神、中方揭諦神、日遊神、夜遊神、巡山邏候、数多くの土地神が現れる。


--------

 というわけで、大量の神様の名前が出てきています。説話もいろいろ。
 ほとんど観光案内的に名所の様子が描かれているのも小説としては壊れているけれど史料価値的にはありという感じでしょうか。