第七回 九環錫杖施威能 四路妖精皆掃盡
長老が土地神から、妖怪一家の事を聞きだす。
四つの房があり、大房には32人の子どもを持つ妖怪、他の三房には一人ずつがいるという。
土地神は妖怪の名前を知らず、大房の妖怪を天罡精、二房の妖怪を鴨蛋精、三房を葫蘆精、四房を蛇船精と呼んでいる。
山の上のが四房で九曲溪流の上にある。第三房は羅浮山の上、二房は峨眉山の上、大房は五台山の上。
長老と二人は日々進む、
齊雲亭で碑文にあった朱文公の七言四句を読むと、空に火光が走り、大きな音が響き、怪風が吹き、激しい雨が降る。
長老が亭上で目を閉じ、精神を集中させると雨は収まり雲は散り、日が差す。
現れた猛漢・蛇船大王を長老が説得する。長老は蛇船大王をさまざまに化けさせ、九環錫杖で打ちすえると、妖怪は南に逃げる。
二つの山がひとつになった山に着く。
道書にある十大洞天のひとつ羅浮山であった。
毛だらけのひょうたんがあり、これこそが妖怪。
先ほど逃げてきた妖怪と二匹ともを九環錫杖で照らすと、二匹の妖怪は玉鵝峰に逃げる。
峰々を巡る妖怪を追い、変化したのを錫杖で打ち、正体をあばくと、次は西北にむかって逃げた。
峨眉山で三匹に増えた妖怪をさらに追い、五台山でさらに妖怪は合流、
貓頭豬嘴の蛇船精、毛頭毛臉の葫蘆精、藍頭藍面の鴨蛋精、三十三匹の天罡精がそろう。
妖怪たちは、風に、雨に、霧にと、次々に変化してみせる。
次から次へと、物づくし、故事づくしで変化しつくしたところで、長老が、他のものに姿を変えるのはもういいから、自分の姿を変えろという。
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