第十八回 金鑾殿大宴百官 三汊河親排鑾駕
葫蘆釘角の力により、碇が作られる。雨が降って温度が下がったところで地面の中から碇が掘り出される。
張天師が、葫蘆釘角は実は天界の左金童胡定教真人であったと言う。
船も碇も整ったので、出発の日時が諮られる。
時は永楽五年正月十四日。碧峰長老が、明日は上元日で吉兆だから、開船に良いというので、用意が調えられ、宴席が設けられる。
碧峰長老には、八宝の飾りがある僧帽、魚の腹のように白い身、鵞鳥のように黄色い偏衫、龍の錦の袈裟、五指の幅の玉帯、龍鳳がからむ靴下、二匹の龍が珠と戯れる柄の僧鞋が用意され、盆に載せられて捧げられる。また、天子が書いた「大明国師金碧峰」の金牌も用意される。
その他、三宝太監をはじめ、みなに金品・権限などが贈られる。
犠牲を捧げて祭文が読まれ、祭りが行われ、人員が乗り込む。
天子が船を見送りに来る。
星の如く並ぶ船容。各々の旗の文字などが羅列される。
天子が乗船し、祭りを執り行って帰朝する。
三宝太監が将令を発する。
いつ開船するのかとの問いに、碧峰長老は、すでに開船していると言う。
だがまだ、綱でつながれている。
張天師が三宝太監のところを訪れて、道士や楽舞生が海に出るのを怖がっているので術を使うと言う。
海が荒れた難所があり、三宝大鑑と王尚書は生きた心地がしない。
三宝太監が張天師の宝船を訪れる。
海が荒れて船が進めないと言われて、張天師は「免朝」と書いた紙を水に投げ落とさせる。すると、なにやら目鼻もない妖しい年老いた者が姿を見せて消える。その姓は「江」であるという。
次に、「天将」の二文字を船首の下に落とすと、長い鬚で背に弾弓を背負った者が水の中から現れて紙を散り散りにした。その姓は「夏」であるという。
さらに、「天兵」という文字は水中から子どもが引き裂いた。その姓は「鄢」であるという。
どんな妖怪が無礼を働いているのか、と張天師は符を取り、剣を取り、術を使おうとする。
0 件のコメント:
コメントを投稿