2015年10月18日日曜日

西洋記40

 張西塘が敷いた陣に姜老星が単騎で駆け込むと、黒い旗がひらめき、黒い霧が天をさえぎり、狂風が吹き、手の先も見えないほどになる。姜老星は生けどりにされるが、頭を揺すり、肩から宝貝の九口の飛刀を出して逃げる。
 さらに挑戦してきた姜老星と張先鋒が戦うが、四十合あまり戦っても勝負がつかない。姜老星が逃げたので張先鋒が追うと、姜老星は九口の飛刀を出す。打ち合わせどおり、飛刀に銃や火矢をあびせると、姜老星は引き返した。張先鋒も船にもどり、出陣しないようにと軍令を出す。
 だが、姜老星が挑戦してくると、血気さかんな兵たちが姜老星を大勢で取り囲む。すると、息子の姜盡牙、姜代牙が現れ、姜老星を救おうとする。
 姜老星は真言をとなえて九口の飛刀を出し、それを見た兵たちはふらふらして、逃げ帰る。
 次は、金吾前衛指揮の王明が姜老星と戦う。五十合ほど打ち合い、姜老星が逃げる。王明が追う。姜老星が飛刀を用いる。王明は飛刀に対処するが、最後の一つが手に当たる。
 もどった王明が、軍令違反で斬られそうになるのを息子の王良が命乞いする。
 功をもって贖罪とすることになり、王良が出馬、姜老星と戦う。
 姜老星は負けたふりをして逃げ、追いかける王良に向かって飛刀を用いるつもりだったが、王良は追わない。それを繰り返すこと三日。四日目には、王良は追い、飛んできた飛刀を槍で姜老星に向けてはじき返し、姜老星は飛刀をおさめ、二人は刀と画戟で激しく戦う。
 そこへ征西後営大都督、武状元の唐英が駆けつけ、唐英と姜老星が激しく戦う。長い打ち合いのあと、唐英が負けをよそおって逃げる。姜老星は、計略だと気づいていたが後を追い、唐英が放った矢を手づかみにする。矢の名手であった唐英は驚き、さらに第二の矢を放つが、これも手でつかまれる。さらに放った矢は、口で止められた。
 今度は姜老星が負けをよそおって逃げ、飛刀を用いるのを、唐英が矢で射る。
 勝負がつかず、今度は矢で勝負することになる。

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