2015年9月9日水曜日

西洋記34

第二十回 李海遭風遇猴精 三宝設壇祭海瀆

 四匹の小猿が母の命を受け、崖の下を見ると泣いている者がある。声をかけ、母に言われて藤の蔓を綱にして李海を助ける。李海が母猿に目通りすると、母猿は婦人の姿に、小猿たちは下僕の姿に着替え、李海をもてなし、李海と母猿は結婚する。
 山上で雷のような音を聞いた李海が母猿に問うと、雷ではなく大蟒が下山して水のところに行く時に立てている音だという。
 蟒が持つ夜明珠を取って献上しようと思い、李海は大蟒を倒そうと考える。
 計略を立て、大蟒の命数が定まったという李海。老猿も指を折って占い、大蟒の命数が定まっていると言う。
 李海は、自分は諸葛孔明の馬前神数を使ったと言う。李海は大蟒の通り道に槍をしこみ、倒した大蟒から夜明珠を取り出す。老猿は、術を使って李海の腹に珠を収める。珠は生きていて、生き血を養分としているのだという。
 李海は老猿から恐れられたのを知り、身を慎み、宝船が行って戻ってきて、連れ帰ってくれるのを待っている。

 さて、宝船の方は、祭りを行ってからは波が静まり、順調に海を進んだのだが、数日して、兵士たちがみな疲弊して寝てしまうという事態が発生する。ただ、国師の船の部下たちだけは無事であった。

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