2021年8月11日水曜日

混元盒五毒全伝メモ

『 混元盒五毒全伝』または、「張天子収妖伝」。清代の版本しか残っていないが、おそらく成立は明代。

 版本、成立と発展等については、山下一夫「混元盒物語の成立と展開」参照。

『 混元盒五毒全伝』富経堂本と、後代の小説「聚仙亭」、燕影劇「混元盒」などを読むことができた。

 後代の小説「聚仙亭」(『聚仙亭全伝』)は、『 混元盒五毒全伝』富経堂本二十回を十回にまとめただけかと思っていたら、そうではなく、細かい部分が、だいぶ省略されたり、合理化されたりしていた。

 混元盒(こんげんごう)は、中に妖怪を封じ込めることができるふた付きの宝器。ただし、小説中には、混元盒の形や色に関しての記述はない。

 一部の風習として、端午の節句に、五種類の毒のある生き物を描いた五毒図を描いて壁に貼ったりすることがあるというが、「 混元盒五毒全伝」は、その由来譚となっている。

 五毒については、五種類とされてはいるが、何であるかは確定されていないようで、作中でも、ヒキガエル、サソリ、毒蛇、ムカデ、蜘蛛、ヤモリの六種類が 混元盒に収められている。

 燕影劇「混元盒」は、すでに「封神演義」の影響を受けており、冒頭から金花娘娘が「截教」だと名のっている。

 


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